「SlackからLarkへ」移行時のデータ移管の注意点

SlackとLarkはアーキテクチャや構造が違うため、完全な自動移行はできません
ただし、「どのデータを残し、どのデータは切り捨ててもよいか」を整理しながら移行することで、現実的かつ効率的な移行が可能になります。


✅ SlackからLarkへの移行で注意すべき5つのポイント


① チャット履歴の移行:全文は引き継げない。必要な範囲を選別すべし

✅ 注意点:

  • Slackの無料プランは90日分しかエクスポート不可(制限あり)
  • 有料プランでも、エクスポート形式はJSONファイル → Larkにそのまま読み込むことはできない
  • DMやプライベートチャンネルの履歴は基本エクスポート不可(Enterprise Grid除く)

✅ 回避策・対応:

  • 必要なやり取りだけを手動 or スクショでアーカイブ/保存(特定の案件・チャンネルに絞る)
  • Google Sheetsなどで整理した形式でドキュメント化し、Lark Docsにアップ
  • 社内用に「Slackログ閲覧用フォルダ」などを一時的に設けておく

② アップロードファイルの移管:リンク切れ・消失に注意

✅ 注意点:

  • Slack内のファイルは投稿とは別扱いで、外部からリンクでしかアクセスできない
  • チャンネル削除やアカウント停止とともにファイルも失われることがある

✅ 回避策:

  • Slackの管理画面から全ファイルを一括エクスポートしてZipで取得
  • Larkの「クラウドストレージ」または「Docs」にフォルダ分けして再アップロード
  • ファイルと関連する会話を一緒にまとめて移しておくと文脈が残る

③ ワークフローやBotの移行:連携系は作り直しが前提

✅ 注意点:

  • SlackのBotやワークフロー(ZapierやSlack Workflow Builder)はそのままでは移行不可
  • API連携、通知系、自動化タスクはLarkで一から設計が必要

✅ 回避策:

  • まず現状のSlack連携Botを棚卸し(誰が何のために使っているか)
  • Larkの「Bot」や「承認」「ワークフロー機能」「自動通知(Webhook)」で代替設計
  • Larkではノーコードで簡単に承認フローや通知が組めるため、移行は比較的楽

④ チャンネル構造:Larkでは“グループチャット”と“Docs”で置き換え可能

✅ 注意点:

  • Slackの「チャンネル」は、Larkでは「グループチャット」または「スレッド」で対応
  • 移行後、過去の会話を探す動線が変わるため、混乱が起きやすい

✅ 回避策:

  • 主要チャンネルごとに、Larkで同名グループチャットを作成し、説明スレッドを先頭に固定
  • 「旧Slackの●●チャンネルで話していた内容はここに」など道しるべを貼る
  • 必要な情報はLark Docsで整備してリンクを貼ることで、検索性も向上

⑤ 社内の混乱:移行タイミングと“並行運用ルール”が鍵

✅ よくある失敗:

  • SlackとLarkを同時に使い続けてしまい、情報が分散
  • 「どっちに書けばいいか分からない」状態が長引く

✅ 対策:

  • Slack投稿を「終了時期付き」で制限(例:「今月末でSlackの利用を終了します」)
  • Larkに「移行ルール/引き継ぎガイド」のDocsを作り、全社員に共有
  • 1ヶ月ほどはSlackを“参照専用”として残しつつ、投稿は禁止にする方針が◎

📝 まとめ:完全移行ではなく、“必要最小限”の引き継ぎがベスト

SlackからLarkへの移行は、すべてを移すのではなく、必要なデータだけを整理・再構成して移すのが現実的です。

✅ ポイントは以下の3つ:

  1. 過去の情報を「アーカイブ」として割り切ること
  2. 未来の業務に必要な情報・構造をLarkで再設計すること
  3. ユーザー教育と移行ガイドをしっかり用意すること

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